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◆ 捕食者(ほしょくしゃ)たち ~ ペンギンの天敵(てんてき) ~ ◆

 この項では、ペンギンの天敵である「捕食者」たちを紹介します。
  ペンギン・LOVEの人たちにとっては、ペンギンを襲う(おそう)にっくきやつらかもしれません。
でも、彼らも厳しい(きびしい)環境の中で一生懸命(いっしょうけんめい)生きており、たまたまその食料の対象がペンギンであったのです。

 ペンギンだって、オキアミ・LOVEの人からみたら(いるのか?)、人間と同じくらい、オキアミを食料としてとらえるにっくき対象なのだ。
  ここでは、そのペンギンの天敵である捕食者を公平な目で紹介いたします。
  すべてはとても網羅(もうら)できないので、代表的な捕食者のみです。


◆ ヒョウアザラシ (Leopard seal) ◆

ヒョウアザラシ

体長3~3.5m、体重270~450kg。
鰭脚(ききゃく)類の中で唯一の温血(おんけつ)動物食。
南極海の流氷域(りゅうひょういき)に広く分布する。
単独で行動し、アザラシやペンギンを捕食するが、魚やオキアミもエサとする。
ペンギンを捕食するときは、ペンギンが海に飛び込んでくる場所の、海中で迎え撃つ(むかえうつ)などする。
一日15羽以上のペンギンを食べることもある。
シャチのように丸呑みには出来ず、 頑丈(がんじょう)なあごと歯でしっかりくわえてふり回し、引きちぎって食べる。


◆ トウゾクカモメ (Pomarine skua) ◆

トウゾクカモメ
体長50cm、翼開長(よくかいちょう)120cm。
性成熟(せいせいじゅく)に3年ほどを要する。
ツンドラ地帯で繁殖(はんしょく)し、冬は赤道付近や、オーストラリアなど南半球の海岸近くですごす。
ペンギンなどの海鳥の死肉や卵を食べる。
繁殖期はレミングを捕食する。また、冬には魚を捕食。

◆ ナンキョクオオトウゾクカモメ (South ploar skua) ◆

オオトウゾクカモメ

体長55cm、翼開長(よくかいちょう)140cm。
オオトウゾクカモメ属は、トウゾクカモメ属と同じく「トウゾクカモメ科」に属する。
南極域でペンギンをおそうのは、オオトウゾクカモメの中の、ナンキョクオオトウゾクカモメである。
これが別種か亜種(あしゅ)かは、意見が分かれている。
ナンキョクオオトウゾクカモメは4種いるオオトオゾクカモメの中で、唯一(ゆいいつ)の南極大陸で繁殖する種である。
ペンギンの卵やヒナを捕食し、ペンギンの育雛期(いくすうき)の天敵である。
ペンギンコロニー周辺以外で繁殖するときは、魚を主食としている。


◆ オオフルマカモメ (Southern giant petrel) ◆

オオフルマカモメ
体長1m弱、翼開長(よくかいちょう)2m。
カモメの名前がついているが、カモメの仲間ではなく、ミズナギドリ科である。
南極大陸、南極半島域、亜南極(あなんきょく)の島々、南米まで広く分布している。
巣立ちまで100日以上、性成熟(せいせいじゅく)に達するまでに6~7年かかる。
アザラシ、クジラの死肉や、ペンギンや魚の死骸(しがい)をくちばしで引き裂(さ)いて食べる。

◆ サヤハシチドリ (Snowy sheatbill) ◆

サヤハシチドリ
体長40cm。
南極半島や周辺の島々で繁殖する。
腐肉(ふにく)食に良く適応(てきおう)
雑食(ざっしょく)性だが、 ペンギンのヒナや卵をかすめ取ったりもする。
一夫一妻で絆(きずな)が強い。

◆ シャチ (Orca) ◆

シャチ
体長8~10m、体重8~10t。
背ビレはオスでは1.8mにも達する。
出生時は2m強、180kg。
繁殖可能成体(はんしょくかのうせいたい)に達するのに15年を要する。
  ほとんどすべての海域に生息(せいそく)しており、 海の食物連鎖(しょくもつれんさ)の頂点に立つ。
クジラ類ではあるが、大型のクジラをおそうこともある。
シャチには、レジデント(定住性(ていじゅうせい))とトランジェント(回遊性(かいゆうせい))の2つのタイプのグループがある。レジデントは、哺乳類(ほにゅうるい)の中では人間の次に安定した社会を作っている。
陸上では無敵(むてき)に近いエンペラーペンギンにとって、海中での最大のライバルである。エンペラーを一気に丸のみしてしまう。


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