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◆ ペンギンの日々と一生 ◆

●ペンギンの寿命(じゅみょう)

 海鳥は一般に長命(ちょうめい)で、特に成鳥となった後の死亡率(しぼうりつ)が非常に低い。 海鳥であるペンギンも長生きである。
  まだまだ調査段階(ちょうさだんかい)であって、各々のペンギンの平均的(へいきんてき)寿命というのは、はっきりわかっていないが、アデリーなど、20年以上生きているものも多い。
飼育(しいく)されているペンギンが、野生状態(やせいじょうたい)のものより、おしなべて長命(ちょうめい)なのは言うまでもない。

 海鳥のなかでも、ワタリアホウドリ(10kg、翼開長(よくかいちょう):3.5m)はきわだって長生きで、平均寿命でも30~40年、長いものでは60~80年も生きる。もちろん全鳥類中で最も長生きだ。
  ワタリアホウドリは、繁殖(はんしょく)できる成熟体(せいじゅくたい)に達するまでにも10年程度かかる。


●ペンギンの食生活

 ペンギンの食物は、すべて寒流(かんりゅう)の海から得る。
小型の魚類、頭足類(とうそくるい)(イカ等)、甲殻類(こうかくるい)(オキアミ等)の3種類が主な食物である。(ペンギンの種と生息地によって違う)

水分は塩類腺(えんるいせん)を持っているため、海水を直接飲むことができる。(真水を飲んだり雪を食べることもある)
ペンギンは大食漢(たいしょくかん)なので、特にヒナの胴(どう)は、胃袋に皮をかぶせただけと言っていいくらいの体である。


●寝るゾ!

ペンギン寝

↑ 死んでいるのではありません。
ペンギンは、ヒナも成鳥も、こんな風に腹這い(はらばい)で寝ます。

ただし、そのときの体温と外気温の関係で寝姿を変えます。(あくまでそういう傾向もある、という程度にお考えください)

  • 体温を下げたい時には、腹ばい
  • くちばしが冷たくなるのを防ぐ時には、フリッパーと体の間にくちばしをはさむ。
  • 体温を逃さないための寝姿は、頭は前方を向いたままでかかと立ち。

●換羽(かんう)

 ペンギンは生後1年を過ぎると、年に1回、換羽をおこなう。(ガラパゴスペンギンは年2回)
  キングとガラパゴスは繁殖期(はんしょくき)の前に、そのほかのペンギンは繁殖期後に換羽する。
換羽がなされずに羽毛(うもう)が古くなると、防水力(ぼうすいせい)も弱まり、寒さから身体を守れなくなってしまう。

 種類によって換羽が完了する期間はことなるが、ペンギンは食料のすべてを海から得るため、換羽が完了しないと海にもぐることはできず、絶食(ぜっしょく)にたえなければならない。
ペンギンには、長期間の絶食にたえられる生理学的(せいりがくてき)な能力がある。

ペンギンの一生

 ペンギンの一生は大まかに言うと下のような流れになっている。
育雛期(いくすうき)はさらに「警護期(けいごき)」と「クレイシ期」に分かれている。

 「警護期」には、ヒナは親鳥の手厚い保護(てあついほご)の下に置かれ、その後の「クレイシ期」では両親は採餌(さいじ)に出かけ、クレイシと呼ばれるヒナだけの集団を作る。

ペンギンの一生図

 

クレイシ期
繁殖活動(はんしょくかつどう)

 巣立(すだ)った個体が繁殖(はんしょく)できる成鳥に達するまでには、数年以上かかる。
その辺りのことが全くわかっていない種もあるが、知られている範囲で最も早いのは、ジェンツーの2~3年、遅いのはロイヤルの7~8年である。
もちろん各種内でのばらつきもある。
  ペンギンの死亡率(しぼうりつ)が高いのは、成鳥になる以前の亜成鳥(あせいちょう)の段階までで、成鳥になると生存率(せいぞんりつ)は9割前後に達する。

 繁殖期間の最も長いキングペンギンは、ヒナの巣立ちまでに1年弱を要(よう)するため、3年で2回しか繁殖できない。 繁殖が終わると、次の年には繁殖活動ができないのだ。(孵化(ふか)後、巣立ちまでの期間が最も短いのは、フンボルトペンギンの40日であり、実に8倍近い差がある。)
  対して、ケープ、フンボルト、ガラパゴスの3種は、年に2回以上の産卵(さんらん)があり、1年を通じて繁殖活動が見られる。


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